HERMES / エルメス シルクイン コンパクト お財布のファスナーと黒ずみ補修の修理事例をご紹介!!
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HERMESのシルクイン コンパクト財布 スライダー交換と黒ずみ修理をさせて頂きました。
ご覧頂き誠にありがとうございます。
神戸のレザーリペアショップstuts(スタッツ)です。
もう9月も終わろうとしていますが、「あれっ?9月の終わりってこんな気温だったっけ?」と思うくらい暖かい日が続いてるなと思うのですが、私だけでしょうか?
そろそろ長袖に衣替えと考えたりするのですが、暑がりという事もあり、どうしても作業中は体が熱くなってしまうのでまだまだ半袖が手放せません。
本日は、HERMES(エルメス)のシルクイン コンパクト財布の修理をさせて頂きましたので、修理事例をご紹介いたします。
さて、こちらのエルメスのシルクインのお財布がどのような修理になったかご覧ください。
また、こちらの記事と同じような症状でお困り、お悩みの方に少しでもお役に経てれば幸いです。
目次
ご依頼品の詳細
ブランド/シリーズ名 : HERMES(エルメス) / シルクイン コンパクト
製品種別 : コンパクト財布
カラー : グレー
現在の状態 : ファスナーの開閉不良、ファスナーの革引き手の欠損、革表面の黒ずみ、角スレなど
ご依頼内容 : ririスライダー交換、革引き手作成、スレ傷補修、染め直し
ご相談内容は? -ファスナーと黒ずみ修理-
本日はHERMES(エルメス)のシルクイン コンパクト財布の修理のご相談です。
名前の通り正方形型のコンパクトなお財布で、内側にエルメスのスカーフ生地が使われたラウンドジップ型のお財布になりますね。
よくご相談頂く長方形型のロングタイプのお財布に次いで、たくさんのご相談を頂くお財布になります。
今回のご相談では、ラウンドジップのファスナーがどちらに動かしても開きっぱなしになってしまうという、ラウンドジップタイプのお財布ではとても困ってしまう症状が出てしまったという事でご相談を頂きました。
ファスナーを開け閉めしているとスライダーという開け閉めする金具が劣化してきてしまうので、ファスナーを動かしても上手くレールを嚙合わせることが出来ずに開きっぱなしという事が出てしまうんですね。
これではお財布が開きっぱなしの状態なので、安心してお財布を使う事が出来ませんよね。
エルメスのお財布で付いている菱形のファスナー革持ち手も無くなってしまったという事だったので、こちらもスライダーと合わせて修理させて頂きます。
またお財布表側のレザー部分に汚れや黒ずみが目立ち始めたという事で、ファスナーと一緒にリカラーをさせて頂くことになりました。
エルメスでは、使われている革の種類やシボと言われる革の柄などでそれぞれ名前が違うのですが、どちらの種類の革でも比較的丈夫で、そこまで深刻な劣化はしにくいような気がします。
それだけ質の良い革が使わているという事だと思うのですが、バッグにしてもお財布にしても使っているとどうしても角スレが出てきて色が剥げてしまったり、黒ずみが出たりという事がありますよね。
今回のお財布でも、ファスナー修理以外に角を中心に黒ずみなどの汚れが出始めて気になるというというご相談を頂きましたので、一緒にリカラーの修理をさせて頂くことになりました。
【before】
修理内容は? -スライダー交換、革引き手交換、リカラー補修-
今回の修理内容は、スライダーの交換とファスナーの革引き手交換、そしてレザー部分のリカラー補修です。
修理用の金具としてはなかなか入手しにくいririのスライダーを海外から取り寄せて、古いスライダーと交換していきます。
作業としてはスライダーを付け直すだけなのですが、エルメス製品の場合ファスナーエンドと呼ばれる端の金具にブランドオリジナルの金具が付いているので、それを取り外す時にとても気を使います。
ブランドのオリジナル金具は市販では入手出来ないため、万が一折ったりしてしまったらブランドの金具の再現は出来ません。
金具を破損しないように慎重に取り外してから、新しいスライダーを通りなおしていきます。
革の引き手については、エルメスで使われているようなラムやカーフといった革はご用意できないため、似たお色の牛革を使って菱形の革引き手を作成していきます。
これまたエルメスの製品は細かい部分まで精巧に作られているので、革引き手を通す金具の穴も絶妙な大きさをしています。
裁断や革の厚みやミスすると、金具に革を通せなくなってしまったりして細かな調整が必要になります。
環境などの都合でなかなかエルメスクオリティの完全再現は難しいですが、調整した革素材をスライダーに縫い付けて革引き手の修理も完了です。
表側のレザーについては、元のグレーのお色に合わせたリカラー修理をさせて頂きます。
角などに発生している黒ずみは、角スレなどにより表面の加工が剥がれた箇所に染み込んだ皮脂や手垢の可能性が高いので、まずは専用のクリーナーなどでしっかりと汚れを除去していきます。
その後、下地の処理などを行った後に何色かの調色して元のお色に合わせたカラーリング剤を作っていきます。
カラーリングについては、色を見る環境、時間帯、下地の色、革の種類など様々な事が原因で、仕上がりの色の見え方が変わってきますので、様々な環境で色のチェックをしてからリカラー作業をさせて頂きます。
最後にリカラーだけでは色の定着が弱いので、ツヤの調整やコーティングと一緒に色止め作業をして完成です。
【after】
before-after 写真
【before/after】
・エルメスのコンパクト財布の正面から。こちらのお写真ではファスナーの劣化が分かりませんが、角に少し黒ずみが出ているのが確認できます。元のグレーに合わせてリカラーをさせて頂きました。
・お財布の角の部分です。スライダー交換の時に破損しやすい「H」型のファスナーエンドもしっかりと付け直しして交換させて頂きました。角に出ていた黒ずみもほとんど分からなくなったと思います。
・角の黒ずみ以外にも、経年劣化で少し色褪せや黄ばみも出始めていたので、出来る限り元に近いお色を再現させて頂きました。
・ファスナースライダーの交換と革引手交換のお写真です。細かなデザインは違いますが、riri製のスライダーを交換させて頂いております。
いかがでしょうか?
今回のご相談のまとめ
本日はエルメスのシルクインコンパクト財布のスライダー交換と革引き手交換、リカラーの事例をご紹介いたしました。
エルメス製品の修理は毎回特に気を使います。
元のお品物の金額が高額であることも気を使う理由の一つなのですが、エルメスの製品は細かな部分までかなり精巧に作られていて、少しの誤差で修理の仕上がりが大きく変わってしまったりするんです。
これからもエルメスクオリティを目指して日々精進ですね。
この度は修理のご依頼を頂きまことにありがとうございました。
これで今後も気持ちよくお使い頂けますと幸いです。
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